• 　2025年7月15日火曜日に福岡市にあるNPO法人とねりこの理事の今村晃章様にNPO論の特別講師としてご登壇いただき、NPOの活動と経営、NPOに携わることになった経緯についてお話していただきました。
• 　とねりこは、北部九州エリアで中間支援を行っているNPO団体です。中間支援とは、「社会課題の解決に向けて、必要となる社会資源（資金、物品、場所、人員など）をつなぎ、調整すること」です。これまでに、とねりこは、社会資源を必要とする団体とそれらを提供したい団体を、ただマッチングするのではなく、団体がお互いに協働できるように「調整（コーディネーション）」する役割を担ってきました。「調整」は、異なる文化をもつ組織の主張を通訳し利害を調整し妥協点をみつけ協働につなげるプロセスです。
• 　社会課題が多様化、高度化、複雑化する現代社会において異種?異質な人や組織が利害関心を超えて社会課題の解決に向けて協働できる契機をつくる調整役の重要さを知ることができました。

【受講生の声（一部抜粋）】

• ※中間支援は、NPOに不足している資源を補う仕事なのかと思っていましたが、NPOと支援者、場所などがお互いのニーズが合致するように調整し、つないでいく役割をもつことがわかりました。ただマッチングされるのではなく、新たな価値を生み出せるような関係になるよう調整を行っている点が印象に残りました。様々な社会課題があるなかで、失敗が非難され、挑戦しようとする気持ちが薄れる社会になっていると感じます。だからこそ、社会を変えようとするよりも、変わる社会に心を補うという考え方は大切だと思いました。（S.Y.）

• ※現代の課題として、失敗を非難されることを恐れて社会問題を見て見ぬふりをする傾向があるとおっしゃっていたのが、自身にもあてはまる部分があり印象に残りました。社会に対する心がけを変えて、支援することに積極的になりたいと思いました。（I.S.）

• ※今回の講義を通して、改めて田川市とまちづくりについて考えさせられました。自分はまちづくりサークルに参加しています。地域課題の解決には行政や企業、地域団体や市民の方との連携が不可欠であると感じています。皆をつなぐ方法の一つとして、私たち大澳门皇冠|足球比分-劲爆体育官网が何かしらの役割を果たせるのではないかと感じました。自分は、ほかにも複数のサークルに所属しており、地域の祭りの実行委員会の方、商工会議所や市役所の方と関わる機会があるので、とねりこさんのようにマッチングから調整につなげ、連携に貢献できればと思います。（Y.S.）

• ※社会課題が多様化するなかで、一つの団体だけでは解決できないことが「繋がり」をとおしてプラスの効果だけでなく、新たな効果を生み出すことはとても意味があることだと思います。また、今村さんは、NPOの経営を行った経験があり、その経験から他のNPO団体の経営陣の考えを理解して調整ができる能力や知恵をもっていることが強みであると感じました。（M.A.）

担当教員：佐野麻由子